代表あいさつ

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角伊勢のウェブサイトにお越しいただき、ありがとうございます。
弊店は、呉服店としては江戸時代より、
古河での商い始めに至っては1735年(享保19年)から続く老舗でございます。

日本は、戦後より外国の文化がものすごいスピードで流れ込んで来たのを機に、多くの日本人の普段着が「洋服」に移行してしまいました。今では人生の節目となる儀など、大切な時を過ごす時に纏う衣服の一つとして着物が位置づけられている事が多い様です。若い方に至っては、七五三の時などに着物を着る(触れる)機会がある様ですが、幼い時の短い時間であるため、なかなか着物を纏った時の気持ちや、着物という文化がその心に深く染み入る事は難しい様です。

着物_柄そんな中、多くの人が着物と向き合う事になるのが、成人式です。
特に女性は、「大人になった未婚の女性が着る第一の正装」としての着物である振袖を纏い、その和の美に包まれ、和の心に触れながら、大人になった証としてその議を迎えます。
生まれた後、「大人になる」という最初の大きな節目を祝うからこそ、その気持ちに相応しい程の和の美が振袖の生地の上に込められ、着る人も、それを見る家族も、成人するまでの時間の尊さをその美しさと共に感じる事が出来ます。
ファストファッションとも形容され、簡単に、手軽に纏う事の出来る服からなる生活は、今のスピーディな社会との相性は良いのかもしれません。
しかし、衣服を纏うことさえも少なからず時間を必要とする生活のリズムこそが、本来の日本人の時間の進み加減なのかもしれません。

私どもは、この成人式をきっかけに、皆様に着物から伝わる和の文化を感じて頂き、それを皆さんの生活に取り入れて頂きたいと考えております。
七五三、成人式等から始まる着物との付き合い。大人になったからこそ、知り、感じて頂きたい日本の文化。出過ぎる事なく慎み、相手を思いやる。そんな気持ちの生まれる時間の流れを過ごさせてくれるのが着物であり、日本の時が刻まれる速さなのかもしれません。

纏うことで日本を、和を感じ、楽しむ。お客様の人生を和の刻で進めてみませんか?
大切なのは「速さ」だけではない、そしてそこから生まれる全てが、日本人を育んでいくと、私はそう考えています。

株式会社 角伊勢 代表取締役 有瀧 久雄